深夜0時を間近に迎え、そろそろ終電時刻が気にかかる。
足が小走りになった頃、ああ~気付いてしまった君からの眼差し。
路地の奥から俺を見上げる目に宿る輝きには
何かを訴えたい意志を感じてしまうわけで。
このまま素通りも出来ず、かと言ってカリカリも持っておらず。
ただただレンズを向け、もやもやする心には蓋をして
自分でも驚くほど、冷静にシャッターを切っていました。
前略おふくろ様。
俺は所詮、毒にも薬にもならない小市民のようです。
外猫たちを撮りながら、外猫達の人生に
接触する勇気が今ひとつ無いと言うか、なんちゅうか、本中華。
前略おふくろ様。
実は、衝動に駆られて、つい新しいカメラを買ってしまったわけで。
その、今月の家賃が少々心もとなくなってしまい
いい歳をして、このような手紙を書いてしまったわけで。
暮れには必ず帰ります。
サブ。
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