ぼくは猫を撮りにいかない。
ただただ、歩く。散歩する。
カメラを肩からぶら下げて。
午後の陽射しが傾きはじめた頃から、西へ向かって歩くことが多い。
写真家の先輩に聞いてみたらこう言われた。
「それは逆光になって世界の輪郭が浮かび上がって見えるからかもしれないね」
そろそろ歩き疲れて、日も沈んで、だんだん薄暗くなる頃に
あの先にポゥっと色づく赤提灯で一杯やって帰る。
それももちろん、目的のひとつだったりする。
ただただ、歩く。歩きたい方へ。
汗ばんだシャツと履きなれた靴で。
ぼくは猫を撮りにいかない。
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