自分が一番よく分かっているけれど
それでも2時間かけてここまで来たんだぜ、もう少し
愛想の一つもくれたっていいってもんじゃないかい…。
I先生を筆頭とする、向こうから寄ってくる
才能をお持ちの猫写真家さんたちがうらやましい~。
塗り分けられたドア
鮮やかな色彩が目をひく
気を取られている間に
キミはどこからともなくスッと現れた
人の生活に溶け込み、日々を送るキミは大切な仲間
気付いてないだろうけど
この街の日常も豊かに彩ってくれているんだ
さてさて
今日のごはんはどのドアからのお届けかな
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Naoe Shimada
被毛についた霧雨が重たい雨粒に変わる頃
男性は現れた
猫たちの良き理解者は
凍えそうな寒い日も、溶けちゃいそうな暑い日も
傘が飛びそうな激しい雨の日だって
毎日欠かさずご飯を運んでくれる
姿を見つけると猫は鬱陶しそうに首をかく
まるで「待ちくたびれたよ」と言ってるみたいに
少しくらい毒づいても笑って許してもらえる間柄だよね
猫と男性との信頼関係が眩しく写った夜だった
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Naoe Shimada